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【政治】TPP交渉決着せず、バター不足をめぐり甘利大臣は老けすぎ!?


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TPP(環太平洋経済協力協定)の大筋合意を目指していた主席交渉官会合が、合意に至らず幕を閉じました。その原因は何だったのでしょうか?

前回の記事(【政治】TPP主席交渉官会合開幕!議論は大詰めを迎える)にてTPPの概要を説明しましたが、このTPPの根本の仕組みのところで某国w(甘利大臣談)の強硬な姿勢によって合意に至らなかったと報道されています。それは某国とはニュージーランドを指していて、農産物(主にバターなどの酪農品)の関税を巡って過剰な要求をしているようです。

日本では今バター不足になっていることをご存じでしょうか?ケーキなどの作る際に必須のバターが日本のスーパーでは品切れが続いています。それは供給量に対して生産量が追い付いていないのです。バターはほぼ国産で賄っていますが、これが今回のTPP交渉に深くかかわってきます。後ほど詳しく解説します。

しかしまあ甘利大臣老けましたね。。。

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ほんの数年前までこんな感じで感じだったのですが、

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今回の会合での甘利大臣。。

白髪のせいかもしれませんが、大分老けましたね。それだけ重責を担っていてストレスも多いんでしょう。我々庶民の悩みなんて、国レベルの交渉からするとちっぽけなんだなあと実感します。がんばれ!!大臣!

日本がバターを輸入しない理由

さて今回の交渉でニュージーランドは、農産物(特にバターなどの酪農品)を輸出しようと強硬な姿勢を崩しませんでした。TPP交渉は主に交換条件によって合意します。つまり「こっちはA品目の関税下げるから、そっちはB品目の関税下げて」といった交渉です。ニュージーランドからの過剰な要求に対して、それに見合う交換条件で得るものが少ないため交渉が難航しています。そして日本にはそれとは別に酪農品(バター)の関税を下げられない理由があるのです。

それは前回のTPPの解説記事(【政治】TPP主席交渉官会合開幕!議論は大詰めを迎える)でも解説しましたが、日本の酪農を守るためです。甘利大臣も「バターはセンシティブ」と語っています。バターが不足してるんだから関税を下げて輸入しろ!と思ってる人はたくさんいると思います。しかしここで簡単に輸入してしまうと、あるものが日本の食卓から消える可能性があります。

それは「牛乳」です。

牛乳もバターも原料は生乳です。輸入によって安い外国産のバターが入ってくると、当然日本の酪農家はやっていけなくなり、バターの生産をやめてしまいます。そしてバターから牛乳の生産に切り替えることが予想されています。そうなると今度は牛乳の供給が過剰になり、価格が下がり、牛乳でも採算が合わなくなり、酪農自体をやめてしまう人が続出するのです。

そうなると牛乳は生鮮食品であり、輸入もできないため、牛乳が食卓から消えるシナリオが想定されるのです。

これが「バターはセンシティブ」と言われた理由です。

バター不足でみんなが困っているのに、簡単に輸入できない理由はここにあります。

何を守って、何で攻めるか

TPPはどこを守って、どこで攻めるかという難しい議論です。日本は簡単に言うと工業製品は攻め、農業は守りです。そういった大局観で見ると、バターを輸入しない政府の方針は正しいと思います。きちんと守るところは守らないと、後々大変なことになります。しかし工業製品で攻めるためにはある程度、農産物の関税を下げざるを得ない部分がありますので、攻めで得た利益できちんと国内農業を守る方針を打ち出してほしいですね。

 


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