Facebookの創業者でありCEOのマーク・ザッカーバーグ氏が5.5兆円もの寄付を表明しました。
Facebookの創業者であるマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は12月1日にある発表を行いました。それは自身が保有するフェイスブック株の99%、450億ドル(約5.5兆円)相当を「人の可能性の追求と平等促進」のために寄付するというものです。
ニュースでは第一子である娘の誕生に感化されて、寄付を行うことを決めたとあります。
すごいですねー!!約5.5兆円ものお金をポンと寄付してしまうんですから。はっきりいって私たちからすると異次元の世界です。しかしこの美談の裏に隠れた米国ならではの税金対策があると指摘する声があることに気づきました。その真相に迫ってみます。
マーク・ザッカーバーグ氏とは?
まずはマーク・ザッカーバーグ氏について語っていきましょう。
マークはみなさんご存じFacebookの創業者の一人です。彼が中心人物ですね。彼は一種の天才だと思います。
日本ではまだ記憶に新しいですが、SNSと言えばmixiの時代がありました。mixiは招待制であり、本名ではなくニックネームでの登録でした。日記の公開、メッセージのやりとり、グループへの参加などはやる要素はたくさんあり、こういったサービスがまだなかったことにより本当にはやりました。しかしその流れはFacebookの登場でがらっと変わります。Facebookは本名での登録を基本としています。当時のネット業界において本名を出すというのは個人情報保護の観点からある種タブーとされていました。
しかしここに真の需要が埋まっていたんですね。mixiはリアル世界で現在も付き合いのある人たちとしかつながれません。しかしFacebookは実名を使用することにより、過去の人間関係をすべて網羅したつながりが持てるようにしました。ここが彼のすごいところですね。この需要はみんなが持っていたということになります。しかしタブーとされるルールに守られて誰も気づかなかった、少なくともやろうとしなかった。この目の付け所が彼が天才と言われる所以です。
マーク・ザッカーバーグはアメリカのニューヨーク州の出身です。ハーバード大学に入学し、このハーバード大学在籍時に様々なことを成し遂げます。まず彼が立ち上げたのは初期のプロジェクト「Coursematch(コースマッチ)」。これは同じクラスを履修している他の学生のリストを参照できるようにしたサイトの作成です。のちにプロジェクトの1つとして開設したサイト「Facemash.com(フェイスマシュ.com)」は、ハーバード大学内に特定した、ランキングサイト「Hot or Not」のような画像格付けサイトでありました。しかし、ネット上に開設後すぐに、大学の管理部職員によってザッカーバーグのインターネットアクセス権が無効とされたため、サイトがオンライン上に存在したのはわずか4時間程となってしまいました。大学のコンピュータ業務部がザッカーバーグを連れ出したのち、彼はハーバード大学運営理事会によって、コンピュータのセキュリティを破りインターネット上のプライバシーの規約に違反したとして処罰されてしまいます。
ザッカーバーグは、自由で公然とした情報の利用を可能にすべきと考えていたことを主張します。その後理事会側からの訴訟は公的には行われず、ザッカーバーグはSNSサイト「Facebook(フェイスブック)」を立ち上げると共に大学を休学、その1年後に中退となりました。
彼の行動力ととびぬけた発想力は学生時代から発揮されていたと言えます。そして既得ルールを守ろうとする大人たちに毅然として立ち向かう信念も持っていました。
この後のFacebookの躍進ぶりはみなさんご存じの通りです。彼の先見性には脱帽せざるを得ないですね。
5.5兆円寄付の真相は?
そんな彼ですが、5.5兆円も慈善団体に寄付するなんてすごい!!とまずは思います。
しかしアメリカでは普通に行われている節税対策ということも忘れてはいけないですね。ニュースの文字だけに踊らされない真実を見る力が必要だなと感じた一件です。
どういうことかというと、娘のためには違いないのですが、思ったより利己的な一面がある寄付なのです。アメリカでは相続税が40%もあります。つまりザーカーバーグ氏の資産を相続する娘は2兆円もの相続税を払わないといけないんですね。しかもその資産は有価証券、つまり株であって現金ではありません。しかし相続税を払うために簡単に現金化できるかといえばそうはいきません。これだけ大量の株を売ろうとすれば値崩れしますし、これだけの大企業の株は簡単に移動できないんですよ。
そのため相続してすぐに破産するなんて話がよくあるそうです。ではそれを防ぐためにはどうしたらよいか?
それが慈善団体を設立して寄付するという方法なのですね。寄付すれば税金は発生しないので、その慈善団体はその寄付額をまるまる抱えることが出来ます。そしてその設立した慈善団体の役員として自分や自分の子供を登録するわけです。
まあもちろん慈善活動は行うのですが、その資金を運用して得た利益は給料やお小遣いとして自由になるというからくりです。5.5兆円も運用したらはっきりいって誰でも遊んで暮らせるだけのお金が毎年入ってきますよ。それこそ絶対に使い切れない金額です。
ザッカーバーグの功績と実力は本当にすばらしいものがあります。ただこのニュースをただの美談として見るのはいささか早計という話です。
このような側面があることを知った後、もっとニュースの裏も読まなければなあと感じるのでした。