上流工程を主に担当するシステムエンジニアの仕事内容を現役SEが解説します!年収も紹介しますよ
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「上流システムエンジニアってどんな仕事をしてるのか」
そんな疑問に答えます。
上流っていっても、身分の話じゃないですよw
上流工程を担当するシステムエンジニアのことです。
そもそもシステムエンジニアってどんなイメージでしょうか?
毎日パソコンの前でプログラムを書いているの?そんな疑問に答えていきます!
上流システムエンジニアの仕事内容
私は現在、神奈川県内でシステムエンジニアとして勤めています。
某大手IT企業の社員です。あまりそんなイメージないかもしれませんが大手IT企業の社員は主に、”マネジメント”の仕事をしています。はっきりいって世間の人が抱くシステムエンジニアのイメージとはかけ離れていると思いますよ。
多分、世間の人はシステムエンジニアというと、毎日パソコンの前でプログラムを書いてばかりいる人というイメージじゃないですか?根暗な人が多くて、おたくばかり・・・3Kとかいう言葉もありましたね。でも実際はそうではないんです。
まず本当にガリガリプログラムを書いている職種は”プログラマー”といって、日本では明確に分かれています。
ではシステムエンジニアはなにをするかというと、プログラムに落ちる前の工程を主に担当しています。もちろん自分でコーディング(プログラミング)をすることもありますが、最近ではプログラムの仕事は単価に合わないため、大手企業の社員になるほど行っていないのです。
ではプログラムに落ちる前の工程とはどういうことかというと、プログラムを書くためには、その設計書のようなもの、いわゆる仕様書を作る必要があります。簡単な例でいうと、仕様書は「AにBを加える」と書いてあり、プログラムではその仕様書をもとに「A+B」と書くみたいなイメージです。もちろんこんな簡単なもんじゃないですよ。プログラムを書くためには当然そのプログラムで何を行うのか詳細に決まっていなければできません。そのためにまずは”そのシステムが何を行うのか”を日本語で書きだす必要があるのです。
つまりシステムエンジニアは業務でやりたいことを具体的な命令に落とし込んだ設計書を作る作業がメインになってきます。
この設計書を作るためには、作ろうとしているシステムの業務に詳しい顧客と会話して、詳細を詰める必要がありますし、実現するための技術的な課題を解決していくことが必要となってきます。
つまり必要となる能力は、顧客と仕様を調整する能力であったり、システムに落とし込むロジカルな思考力であったりします。結局、総合力が問われるんですね。私はよく就活生などに「業務とシステム両方のプロ」という説明をしています。顧客は業務の専門家ではあるが、システムには詳しくない。プログラマーはシステムには詳しいけど業務には詳しくない。その両方を結びつける仕事がシステムエンジニアであり、設計書なのです。
そしてシステムを作る工程でもより業務に近いところを上流工程と呼んでいて、よりシステムに近いところを下流工程と呼んでいます。ITアーキテクトやITコンサルタントなんて呼ぶこともありますね。
上流工程を担当するシステムエンジニアは、顧客から提示された業務の要件を決められた期間、決められた工数に収まるようにシステムの要件に落とし込んでいく作業をメインで担当します。
そのためかなりコミュニケーション能力が必要となってきます。なぜならば顧客とプログラマー双方の理解者となって、たくさん会話しなければ成り立たない仕事なのです。
【参考記事】SEにコミュニケーション能力は必要なのか!?求められる能力とは?
システムの製造工程に入るとマネジメントが主な業務
それでは設計書の作成が完了して、製造工程(プログラム作成)に移るとシステムエンジニアはなにをしているかというと、マネジメントが主な業務になります。
まあ大手IT企業の社員の場合は、設計書を作成しているときも、実作業はパートナー企業の社員が担当して、やってることはほとんどマネジメントなんですけどね。某外資系IT企業と一緒に仕事したことがありますが、設計書を作成している人は全員パートナー企業の社員でしたね。パートナー企業とは、スーパーゼネコンのように2次受け・3次受けの会社のことです。
一次請けであるその某外資系IT企業の社員は、スケジュールや工数の話をするときだけ出てきて、システムを作る工程にはまったく登場しません(笑。これはさすがにひどいと思った記憶がありますが、これでいい品質のシステムが作れれば効率的ですけど、いい噂は聞きませんね。
私の会社ではマネジメントが主な仕事といっても、当然顧客と交渉するのは自分ですから、業務に詳しくなくちゃいけないし、システムにも詳しくなくちゃいけない。さらに実作業を担当するシステムエンジニアやプログラマーたちを管理しなくちゃいけません。はっきりいって何でもできなきゃやっていけないのです。
出来上がった設計書のレビューもするので、もちろん自分で設計書を作成するだけの能力も要求されます。自分で作成できないと指摘なんてできませんからね。そのため予算とスケジュールだけ管理していればいいというわけではないです。
そして製造工程に入ると、設計書の間違いや技術上の課題があがってきます。それを自分で判断して、解決していかなきゃいけないのです。決まった仕様を実現するためには技術的な課題があったり、費用が掛かりすぎるとわかったならば、仕様を変更する交渉や説明を行ったりもします。実現する機能は変えないで、実装方式を変えたりもします。
その上で予算やスケジュールを管理していくのです。
まあつまりシステムを作る上で必要なことをすべてやるのです(笑。ゼネコンでいうところの現場監督みたいなイメージですね。システムがビルとすると設計図が仕様書、建設作業者がプログラマーといった感じです。
システムエンジニアの気になる年収は?
この業界の平均年収は600万ほどです。他の業界より若干高いですね。それだけ専門性が求められているということでもあります。
大手IT企業(主にシステムインテグレータ)の平均年収はこんな感じです。
1 | 野村総合研究所 | 1089万 |
2 | 三菱総合研究所 | 965万 |
3 | SRAホールディングス | 938万 |
4 | 電通国際情報サービス | 867万 |
5 | 大塚商会 | 821万 |
6 | 新日鉄住金ソリューションズ | 814万 |
7 | 東洋ビジネスエンジニアリング | 806万 |
8 | オービック | 803万 |
9 | NTTデータ | 792万 |
10 | ODKソリューションズ | 788万 |
どうですか?
IT企業とは思えないような名前の会社も結構ありますよね。ちなみに私の勤めている会社は上記のうちの一つです。
参考にしてみてください。これもゼネコンと同じ仕組みなんですが、上流工程を担当する会社になるほど年収は高くなっていきます。欧米ではプログラマーはもっと好待遇であることが多いのですが、日本では下流工程(プログラマー)はあまり優遇されていないのが現状です。それは日本ではあまり難しい技術は必要ないようになっていて、仕様書をプログラムに落としていくのが仕事だからです。
もちろん日本でもすごいアルゴリズムを考えるスーパープログラマーのような存在は必要とされるところもあって、そういったプログラマーは高待遇となっています。
まとめ
上流システムエンジニアの仕事内容について解説しました。
色々書きましたが、任される範囲が大きく、なんでも自分の裁量で解決していく醍醐味が、この仕事にはあります。ダイナミックに変化する状況に対応していくため、退屈はしないと思いますよ!
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