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【政治】TPP主席交渉官会合開幕!議論は大詰めを迎える


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TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉が大詰めを迎えています

TPP(環太平洋経済連携協定)交渉の首席交渉官会合が24日、米ハワイ州マウイ島で開幕しました。
この会合は27日までの日程で、「政府調達」や「環境」など経済ルール作りの大半を事務レベルで決着させる方針となっています。
すでにTPP交渉は最終局面を迎えており、28日から開かれる閣僚会合での大筋合意を目指しています。

今回はTPPについて解説したいと思います。

まずTPPって何?

WikipediaによるとTPPの説明は以下のようになっています。

環太平洋戦略的経済連携協定(かんたいへいようせんりゃくてきけいざいれんけいきょうてい、英語: Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement または単に Trans-Pacific Partnership、略称TPP、環太平洋経済協定、環太平洋連携協定、環太平洋経済連携協定、環太平洋パートナーシップ協定)は、環太平洋地域の国々による経済の自由化を目的とした多角的な経済連携協定 (EPA) である。

 はて?なんのことやらさっぱりわかりませんね。
簡単に言うと加盟国同士で自由に貿易しようという取り決めになります。「えっ今でも外国とは自由に貿易してるじゃん」という突っ込みが聞こえてきそうですが、"自由に"というところがポイントです。

そう、つまり現在の外国との貿易はまったく自由というわけではないのですね。

 

関税の仕組み

「関税」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。外国から何かを輸入する際には必ず関税というものが掛かっています。名前の通り、税金です。つまり私たちが輸入品を買う際には、関税が上乗せされた金額で買っているということです。例えばアメリカ産の牛肉を例に取ると、
スーパーで見る牛肉の実際の値段(アメリカの生産者が日本に売っている価格)はもっと安いのです。そこに関税が追加されて値札の価格になっています。

関税は日本政府が自由にその割合を決めることができます。なぜ関税というものが存在するかというと、それは国内の産業を守るためです。
アメリカ産の牛肉は、国産の牛肉よりも相当安いです。これをそのままの値段で消費者に売った場合、日本国産の牛肉はとても値段の面で太刀打ちできません。
そうするとどういうことが起きるかというと、日本国産の牛肉が売れなくなり、日本で牛肉を生産する人がいなくなってしまいます。これは大変困るので関税という税金をかけて、値段の差を少なくしているのです。

 

日本国産が減るとなぜ困るのか

「別に日本国産が減ってもいいじゃん」、「安いほうがいいよ」こう思う人はたくさんいると思います。

食糧自給率というものをご存知でしょうか。日本国内で消費する食糧のうち、日本国内の生産で賄っている割合なのですが、平成25年度において39%(カロリーベース)となっています。この値は年々減少しています。日本国産が減るとこの食糧自給率が減ることになります。この値が減ると何が困るのか、それは海外からの輸入が何かしらの理由で、止まってしまったとき、私たちは食べるものがなくなってしまうということになるのです。

例えば食糧自給率が100%だとすると、例え輸入がストップしても、国内の生産だけで食糧を賄うことができます。しかし自給率が低いと、食べるものがなくなることになります。輸入がストップすることなどあり得るのか?これは確かにそうそう起こらないと思います。しかし関係悪化などによってそうならないとは限らないのです。現実的にあり得るシナリオとしては、輸入先の国に何か異変が起こり、自国の供給で精いっぱいになったとき、外国に輸出している余裕なんてありませんから、当然日本への輸出は停滞します。こういったことに備えるためにも食糧自給率は高いほうが望ましいのです。

 

TPPはこの関税を撤廃する取組

さて話をTPPに戻すと、TPPではこの関税を撤廃しようという取組です。これによって自由貿易を促進します。先ほど食糧自給率を高めるために輸入品に関税を掛けていると述べましたが、なぜ関税を撤廃しようとしているかというと、当然メリットがあるからです。

日本国産の農産物は、海外の輸入品のほうが安いですから当然打撃を受けます。これはデメリットです。しかしメリットもあるのです。そう、日本が海外に輸出している産業です。

日本の輸入品に関税が掛かっているように、日本の輸出品にも輸出先において関税が掛かっていて、本来の価格より高値で売られています。
関税が撤廃されると日本の輸出品の現地での価格が下がりますので、当然輸出産業が恩恵を受けます。輸出産業にとっては関税が撤廃されるとメリットになるということです。

このメリットとデメリットを巡って、TPPは議論されてきたのです。

まとめ

ここまでTPPの概要とその議論の論点を解説しましたが、長くなってしまったので、私の意見は次回にしたいと思います。


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