五輪エンブレム盗用問題が世間を騒がしていますが、あなたはこの問題をどうみますか?
佐野研二郎氏のデザインはほとんど盗用を疑われ、ついには五輪エンブレムも取り下げとなるまでに至りました。この問題を取り上げるテレビメディアの論調を聞いていると、佐野研二郎氏のデザインや審査委員会の不透明な審査過程を批判するのに混じって、ネット民たちによる調査を個人攻撃と表現して暗に批判するものが目立ちます。この論調に違和感を感じるのは私だけでしょうか。
私は今回の佐野氏のデザインの類似作品を調べ上げたネット民たちの行動はネットの進化の賜物であり、ネット民たる民意の勝利と考えています。
既得権益を切り崩すのはいつの時代も民衆の力です。おかしいものはおかしいんですよ。テレビに代表されるメディアや、そこに出演するコメンテーターはまさに既得権益を守る側の人間なのでああいった論調になるのでしょう。しかしいい加減それはずれていることに気づいたほうがいい。
今回の一件だけではないですが、巨大な既得権益であるマスコミ、広告業界に対抗できるだけの力がネットの民意にはあると証明された気がしています。
今回明らかになったデザイン業界の闇
五輪エンブレムの盗用問題ではデザイン業界の闇が浮き彫りになりました。
まずその選考過程の不透明さです。初めから佐野氏のデザインを選ばれるようになっていたかのような事実が次々と出てきました。まずは実際の選ばれたデザインからしておかしいです。ダウンタウンの松本が適切にこう表現しています。
「パクるほどいいデザインじゃない」
その通りだと思います。そうこれって誰もが考えたと思いますが、そんなにいいと思えるデザインじゃないんですよ。デザイン業界における自称プロに言わせれば「素人にはわからないんだよ」と言われそうですが、それがいかにおかしな考えであるかはこちらの記事に思いを書いています。【東京五輪】扇をデザインした東京五輪エンブレムがかっこいい件
選考委員が8人いて、その中の4人が佐野氏のデザインを支持したというんだから、驚きです。このデザインを選ぶのは、よほど目が節穴なのか、集まった作品のレベルが低かったとしか考えられません。そうでなければ初めから佐野案ありきだったのかというわけです。
選考委員の選び方、応募資格の決め方、決まったデザイン、どれをとっても既得権益を守ろうとする一部のデザイン業界や広告業界のお仲間たちの思惑が透けて見えます。
全日本国民、ひいては世界全人類の祭典なんだから公開投票で選ぼうという考えはなかったんですかね。AKBの総選挙のように盛り上がると思うし、五輪の気運も高まるのが確実です。全国民による公開投票を行えば様々な経済効果だって見込めます。
それがだれが選んだかよくわからない業界で勘違いしているお偉方の8人だけで選んだっていうんですから笑いものですよ。いやいままではそれでよかったかもしれませんが、もうそういう時代ではないんですよ。考えが古すぎますねどいつもこいつも。新国立競技場のデザイン選考も同じ話です。
ネット民の総力が既得権益を打ち破った
さてもうひとつ明らかになったことがあります 。それはネット民の総力がこの既得権益の闇を打ち破ったという点です。
今回のネット民を動かした原動力は、「なんかおかしい」と思う全国民の思いです。テレビではネットの力に恐怖を覚えるといった論調のものが目立ちましたが、いままで押し付けられるだけだったものが、こちらからも発信できるようになっただけなんですよ。
明らかにおかしいデザインに、不透明な選考過程、かばい合うお仲間たち、これをおかしいと思わないほうが異常ですよ。その異常を正すだけの方法と力を我々が得たと評価します。
それにしても本当にネットの力はすごいですね。一致団結して既得権益を打ち破った強さには感動すら覚えました。
いままで既得権益を守ってきたひとたちは、時代が変わったと自覚するときに来ています。