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複数銀行でシステム障害によるネットバンク振込が不可に!原因はシマンテックの障害か!?


複数銀行でシステム障害によるネットバンク振込が不可に!原因はシマンテックの障害か!?

6/27現在、りそな銀行やセブン銀行、新生銀行などの複数の銀行で、インターネットバンキングによる振り込みサービスが使えなくなっているようですね。

といっても使用不可になっているサービスは振り込みだけで、通常の預金取引(入出金など)は可能なのでそこまで大きな影響はないと言えるかもせれません。(とか言ったら怒られるかも・・・)

 

このシステム障害の原因はシマンテック社の提供しているワンタイムパスワードを発行するシステムがダウンしているようです。

シマンテック社といえば、セキュリティソフトの「ノートン」で有名ですが、それだけにこうしたセキュリティ系のサービスを色々な企業に提供しています。

なぜシマンテックの障害で複数の銀行のインターネットバンキングによる振り込みが不可になるのでしょうか?

現役のシステムエンジニアが原因について解説したいと思います。

 

インターネットバンキング振り込み不可の原因は?

今回、りそな銀行や新生銀行などの複数の銀行において、インターネットバンキングを利用した振り込みサービスが使用不可となっています。

原因はセキュリティ認証に使用しているシマンテック社のワンタイムパスワード認証のシステムがダウンしていることのようです。

 

セキュリティ認証って、最近多くの銀行が採用している、スマホなどを使ってワンタイムパスワード(一時的なパスワード)を発行して入力させるあの仕組みです。

最近増えましたよね。

2~3年前まではいわゆる乱数表が記載されたカードの指定の文字列を入力させる認証(Grid認証)が主流でしたが、ここ最近で一気に入れ替わった気がします。

 

私も今回の障害で知ったのですが、この認証システムはシマンテックのサービスを利用している銀行が多いようですね。(利用している銀行が今回のシステム障害の影響を受けたわけですが・・・)

シマンテック社のシステムがダウンした原因は明らかになっていませんが、これだけ広範囲に影響が出ていることからおそらく通信系の障害の可能性が高いと思われます。

 

基本的に現代のシステム(特に金融系)は、サーバなどの機器が故障しても止まらないように冗長構成を採用しています。

冗長構成とは簡単にいうと、同じ機能を持つ機器を複数稼働させておいて、一つが停止しても他の機器が動いていればサービスは継続できるという仕組みです。

 

それなのに、これだけ広範囲に影響を及ぼしているとなると、一つの機器の故障などではなく、そもそもシマンテックのシステムにアクセスできなくなった、つまり通信系の障害の可能性が高いというわけです。

 

何度も言いますが、システムは止まります。

それはどんなに対策しようが仕方のないことです。

 

銀行などで、こういうシステム障害が発生すると、必ずワイドショーのコメンテータたちがあまり知識もないのに、

「情報化社会の弊害だ!」

「バックアップとかちゃんとしろ!」

「これだけのシステムトラブルは絶対にあってはならない。」

「なぜ繰り返しトラブルを起こすのか!」

などと騒いでいると思いますが、人が作っているものである以上、システムは止まるんですよ。

このことを理解していない人が多すぎなんです。

 

もちろんそういうことが起きないように、サービスを提供する企業は少なくないお金をかけて冗長構成にしたり、監視を強化したりしていますが、必ず一定数こういったシステム障害は起きます。

絶対にね。

 

我々エンジニアは与えられた予算のなかで最大限努力して、システムが止まらないようにしています。

それでも必ずシステムは止まります。

いくら冗長構成を取ったとしても、予想外のことが起きるのが世の常です。

※冗長構成を取っているのに、止まったりする理由の多くは、故障した機器が完全に止まっていない(いわゆるハンジニ状態)ようなことが起きるからです。

 

もちろん日夜技術は進歩していて、こういったことすら起きないようにエンジニアたちはがんばっています。

コメンテーターたちに言われなくてもやることはやってます。

だからエンジニアの立場からすると、こういうシステム障害が起きたときはもう少し暖かい目で見守ってほしいというのが本音です(笑)

 

シマンテックは今頃お祭り騒ぎだろう

不謹慎ですが、こういうシステム障害が起きている会社の現場はお祭り騒ぎのような状態になっています。

障害が発生したのが26日ですから、おそらくシマンテックのエンジニアは徹夜で復旧作業にあたっていることでしょう。(この記事を書いている27日時点で復旧せず)

 

システム障害あるあるなんですが、これだけの大規模障害が発生すると、社内の有識者が集められて原因追及を行います。

普段は静かな歴戦の勇者たちが、このときばかりはホワイトボードを持ち出してワイワイやります。

 

こういうときは徹夜しても不思議とつらくありません。

おそらくアドレナリンが出ているんでしょうね。

クライマーズハイならぬ、エンジニアハイです。

 

この騒動を外から見守っているしがないエンジニアができることは

「シマンテック、がんばれ!!」

ということだけですね。

もちろんこのシステム障害で影響があった人は迷惑な話かもしれませんが、普段それ以上の見返りをシステム化社会によって受けていることを思い出してください。

何度も言いますが、システムは止まるんです。

 

システムが当たり前のように動くときはありがたみを感じないかもしれませんが、止まっている時こそシステムに感謝してみてください。

 

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